※2021年取材
私が所属する接着技術グループでは、当社製品の接着に関する困りごと解決に取り組んでいます。伝動ベルトやコンベヤベルトといった当社製品の多くは、ゴム、プラスチックと繊維が一体となっています。異なる性質を持ったもの同士を一体化させる接着技術は、各メーカーのノウハウが詰まった重要な技術です。
その中で私は主に接着用ゴムの開発に携わっています。接着用ゴムは達成すべき多くの特性がありますが、当社技術や特許情報の参照、新規材料の探索やメカニズム解析を通じて良いゴムを作れないか日々研究に励んでいます。
説明会に参加したところ、就職先を選ぶ際に重視していた、環境にやさしい材料・製品の研究開発に力を入れていることや、研究していた高分子を広く扱う会社と分かったので志望しました。関西にゆかりはありませんでしたが、技術者の拠点が全国に散らばっていてどこで仕事をするのか分からないよりも、一つの地域で腰を据えて研究に集中できるという点も魅力に感じました。
製品とした時に背反した特性を両立できる材料を見つけた時はやりがいを感じました。研究・調査を進める中で、これまで使われていなかった材料に可能性を見出し、上司へ評価を提案した内容が良い結果を出したときは、心の中でガッツポーズを取りました。
また自分が材料設計したゴムが、製造用の大きい機械で作ることができた時は感慨深かったです。ラボスケールでは問題なく作ることができても、いざ現場での製造へ移すと不具合を起こすことがありました。製造現場に赴き、作業者の方や事業部の技術者の方とやりとりしながら評価方法を決め、材料選択しました。こうした困難を乗り越え、狙い通り製造できるゴムと確認できたときはうれしかったです。
会社から求められる課題やテーマをリーダーとして推進する、視野の広い技術者になることです。一人の技術者として、持続可能な開発、環境にやさしい材料、製品の研究開発に携われたら幸運だなと思います。ゴムはリサイクルやリユースが難しい部材ですが、省エネルギーや長寿命化といったリデュースはどんな製品に携わる時も意識していたいです。
音楽が趣味で、就職してからも神戸周辺を活動拠点とした合唱団に所属して歌っています。仕事ではじっくり考えることが多い分、声でコミュニケーションを取る合唱は文字通り息抜きになっています。関西にゆかりはありませんでしたが、趣味を通じて多くの仲間を得ることができ、心の支えになっています。
私の場合、朝弱いのでフレックスタイムを利用して遅めに来ることが多いです。また試作の日は一日中作業しています。週の初めはミーティング、週の終わりは簡単な報告書を作ります。報告会があればその資料を作り、実験がひと段落したら報告書を作って立案・試作の繰り返しです。