産業用
Vベルト・Vリブドベルト、歯付きベルト、伝動用平ベルトのご使用に際しては、カタログ、設計資料などをよくお読みいただくと共に、以下の項目について十分注意を払い、正しい取り扱いをしてください。
なお、それぞれの項目の安全に対する影響度は、次のように区分しています。
- 危険
- 取り扱いを誤った場合に、使用者が死亡または重傷を負う危険が切迫し生じることが想定される場合。
- 警告
- 取り扱いを誤った場合に、使用者が死亡または重傷を負う可能性が想定される場合。
- 注意
- 取り扱いを誤った場合、使用者が傷害を負う危険が想定される場合、および物的損害の発生が想定される場合。
用途・使用目的
- 危険
- ベルトの切断によって装置が空転、自走または停止し、人身事故、重大事故につながると予想されるときは、必ず安全装置を別途に設けてください。
- 危険
- ベルトを吊り具、牽引具として使用しないでください。
- 警告
- ベルト伝動装置で発生する静電気により、火災や制御機器の誤作動が予想される場合は、静電防止タイプのベルトを用いると共に、装置側に除電機構を設けてください。
- 注意
- ベルトを絶縁体としては使用しないでください。絶縁特性はベルトの種類によって異なります。当社にお問い合わせください。
- 注意
- ベルトが直接食品に触れる場合は、食品衛生法に適合したベルトを使用してください。
- 注意
- ベルトには追加工をしないでください。ベルトの品質、性能を損なう恐れがあります。
機能・性能
- 注意
- 各ベルトのカタログ、設計資料などに記載されている適用および許容範囲外では使用しないでください。早期破損の恐れがあります。
- 注意
- 水、油、化学薬品、ペイント、粉塵などがベルトやプーリに付着すると伝達力の低下、早期破損の原因となります。
- 注意
- 歯付ベルトは高速運転では騒音が大きくなることがあります。その場合は、防音カバーを設置してください。
保管・輸送
- 注意
- 重量のあるベルトは倒れたり、転がらないよう適切な治具やストッパを用いて保管してください。
- 注意
- 重量のあるベルトやプーリを運搬、取り扱うときは、重量に適した運搬器具、装置などを使用してください。手で持ち上げると腰などを痛めることがあります。
- 注意
- ベルトを無理に折り曲げたり、重量物を上に置いて輸送または保管しないでください。ベルトに癖や傷がついて早期破損の原因となります。
- 注意
- ベルトは温度-10℃~40℃で湿度の低い場所で保管してください。また、保管中はベルトに直射日光が当たらないようにしてください。
取付・稼働
- 危険
- ベルト、プーリを含めた回転部分には必ず安全カバーをしてください。髪や手袋、衣服などがベルト、プーリに巻き込まれる恐れがあります。また、ベルトの折損、プーリの破損が発生した場合、飛び散った破片で怪我をする恐れがあります。
- 危険
-
ベルトの保守、点検、交換作業は、以下の項目を守ってください。
- (1)必ずスイツチを切り、ベルト、プーリの停止を確認した上で行ってください。
- (2)ベルトを取り外すことにより、機械が動き出す恐れのある場合は、あらかじめ機械を固定してから作業を行ってください。
- (3)作業中に不慮にスイッチが入らないようにしてください。
- 注意
- ベルトまたはプーリを交換する場合、使用されていたものと同等の品種であることを確認して使用してください。品種が異なると早期破損の原因となります。
- 注意
- プーリアライメントに狂いがあると、ベルトの早期破損の原因となります。調整を行ってください。
- 注意
- 歯付きベルトの交換はベルト張力を弛めてから行ってください。無理にフランジを乗り越えさせたり、ドライバなどでこじ入れると早期破損の原因となります。
- 注意
- ベルトに張力の掛かった状態でナイフ、鋏などで切断しないでください。ベルトが弾けて怪我をする危険性があります。
- 注意
- 多本掛けの場合は、必ず全てのベルトを同時に交換してください。早期破損の原因となります。
- 注意
- ベルトが正しくプーリ溝に入っているか、確認の上使用してください。
- 注意
- 回転停止直後は、ベルトおよびプーリがかなり高温になっている場合があります。冷えるまで手を触れないでください。
- 注意
- ベルトの交換はベルト張力を弛めてから行ってください。無理にプーリのフランジやV溝の外周部を乗り越えさせたり、ドライバなどでこじ入れると早期破損の原因となります。
- 注意
- ベルトの取付張力はカタログ、設計資料などに従って、適正な張力にしてください。不適正な張力はベルトの早期破損や軸破損の原因となります。
- 注意
-
プーリに追加工をして使用されるときは、次の項目を実施してください。
- (1)加工部分のバリ、鋭角部を除去してください。
- (2)加工後の寸法精度を確保してください。
- (3)加工後のプーリの強度を確保してください。
- 注意
- 歯付きベルト用プーリにフランジを組み付けるときは、プーリ本体とフランジのはめ合い部に異物がないことを確認し、かしめなどでフランジにガタのないよう固定してください。不適切な固定はフランジ外れの原因となります。
エンドレス加工(伝動用平ベルトの場合)
- 警告
- 作業現場での火気は厳禁てす。火災の恐れがあります。
- 注意
- 溶剤や接着剤を使用する場合は十分換気してください。健康を害する恐れがあります。
- 注意
- 当社が定めている材料、方法、手順に従って取り付け、エンドレス加工を行ってください。
- 注意
- 溶剤や接着剤の取り扱いは、説明書に従ってください。
使用済み品の取り扱い
- 警告
- 火気のある場所に放置しないでください。
- 注意
- ベルトを燃やさないでください。有毒なガスが発生する場合があります。
- 注意
- 産業廃棄物として、各自治体の処理法に従って処分してください。