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                                                平成21年7月16日

          「平ベルト駆動型超ロバスト高速走行アクチュエータ」の開発

                ‐最新型レスキューロボット〈UMRS2009〉搭載‐

バンドー化学株式会社(社長:谷和義、本社:兵庫県神戸市)は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(N
EDO)「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト」の一つである「特殊環境用ロボット分野‐被災建造物内移動R
Tシステム」の受託チームの一員として2006年より活動してまいりました。その一環として、救助支援作業を目的とし
た最新型レスキューロボット〈UMRS2009〉向けに「平ベルト駆動型超ロバスト高速走行アクチュエータ」を開発し
ましたのでお知らせいたします。
 ※超ロバスト性:本製品においては、外部からの衝撃負荷を回避してモーター駆動部を守り高速走行に耐えるという意味
  です。
【開発の背景】
 地面・床のひび割れやがれきなど、障害物がある被災地・被災建造物内で活動するレスキューロボットは、衝突や落下な
 どによる衝撃を受けても安定した走行・動作を続けることが求められます。
 駆動部のモーターや減速機を衝撃負荷による破損から守るため、当社は、産業用機器の省エネ動力伝達装置としては画期
 的な「平ベルト駆動システム:HFDシステム」の技術をベースに、衝撃負荷を遮断する機能を追加した「平ベルト駆動
 型超ロバスト高速走行アクチュエータ」の開発に取り組んできました。
 本製品は、従来のレスキューロボット〈UMRS〉に搭載されていた性能を保持しながら、大幅な小型・軽量化を達成し
 ています。

【特長】
   ①衝撃負荷を回避する減速機(動力伝達装置)です。
   ②設定を超える動力や衝撃負荷は、動力を伝える平ベルトをスリップさせて遮断します。
   ③ロボットが衝突や落下で衝撃を受けても衝撃負荷を回避し駆動部を破損から守ります。
【仕様】
   装 着:レスキューロボットUMRS2009
   用 途:減速機(自動復帰機能をもつトルクリミッター)
   速 比:1:8(max 1:10)
   プーリ:φ6.0-φ50.8mm
   重 量:約400g

【用途展開】
  レスキューロボット用途での実用化を始め、移動し作業を行なうロボットの走行部に必要以上の力がかかると動力を遮
  断して動きを止める安全装置や、作業や人の補助を行なうロボットのアームやハンドから利用者を守るオーバーロード
  防止装置などさまざまな用途展開の拡大を目指しております。

 ※ 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下NEDO)「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェク
   ト」の一つである「特殊環境用ロボット分野‐被災建造物内移動RTシステム」(2006年スタート)の受託チー
   ムは、特定非営利活動法人国際レスキューシステム研究開発機構(以下IRS)が主体となり、民間企業4社とで構
   成しています。
 ※ UMRS2009(Utility Mobile Robot for Search)は、受託チームのうち、IRS神戸ラボラトリーと神戸市内
   の民間企業3社が合同で開発を進めている、被災した建造物の中での被災者発見や情報収集を行うレスキューロボッ
   トです。
 ※ NEDO「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト」は、ロボット技術の活用による、少子高齢化・労働力の
   減少、国際競争の激化、地震などの大規模災害といった問題の解決を目指し、3分野7テーマの先端的なロボットシス
   テムおよび要素技術を研究開発するプロジェクトです。同プロジェクトは、要素技術開発を行なうステージⅠ(2006
   ~2008年度)と実用化開発を行なうステージⅡ(2009~2010年度)の2段階に分かれており、中間評価(ステージゲー
   ト)で、参加した18グループのうち実用化の可能性が高い6つのグループが継続開発の対象となりました。UMRS
   2009は、継続開発対象としてステージⅡに進み、現在、実用化開発を行なっています。
NEDO「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト」

分野 研究開発項目
Ⅰ.次世代産業用ロボット分野 ①柔軟物も取扱える生産用ロボットシステム
②人間・ロボット協調型セル生産組立システム
Ⅱ.サービスロボット分野 ①片付け作業用マニピュレーションRTシステム
②高齢者対象コミュニケーションRTシステム
③ロボット搬送システム
Ⅲ.特殊環境用ロボット分野 ①被災建造物内移動RTシステム
②建設系産業廃棄物処理RTシステム
                                          ※ RT: Robot Technology
                                                    以  上