バンドー化学株式会社

バンドー化学株式会社 Reading BANDO
食品生産のリスク管理
その指標づくりと意識付けにつながったベルトパトロールとは?

バンドー化学株式会社 Reading BANDO

ロングセラーとなっている「冷凍さぬきうどん」をはじめ、年間およそ5億食の冷凍うどんを生産、冷凍お好み焼きや無菌パックごはんでもトップシェアを誇るテーブルマーク様。讃岐うどんの本場である香川県の工場に伺い、リスク管理の強化に向けた取り組みについてお聞きしました。

リスク管理を、システム化。異物混入やライン停止を回避する。

テーブルマーク様は、グループを含め国内外に20を超える製造拠点を展開し、すべての冷凍食品工場においてFSSC22000を取得されています。生産プロセスに重点を置いた品質管理を各工場で徹底され、高い水準の安全管理を誇っています。しかし、リスクはさまざまな所に潜んでいると吉岡工場長は語ります。

リスク管理を、システム化。

吉岡工場長
「私たちの工場では、材料を練るミキシングから製造、フリーザー、包装、配送まで、多くの機器が稼働しています。そこには食品搬送用ベルトを中心に200~300本にのぼるベルトが使われ、機器が増えるほどにメンテナンスにかかる従業員の負担も大きくなっていました。」

「一番の懸念は、異物混入のリスクです。ベルトが蛇行して耳ほつれを起こし、万が一ベルト片が食品に入るようなことがあれば、大きな回収につながります。ベルトが劣化して不具合を起こせばラインを止めなければならず、品質だけでなく生産計画にも影響を与えかねません。こうした危機を未然に回避するために、“リスク管理をシステム化”する必要がありました。」

生産現場のそんなニーズに応えるべく、ベルトのプロとしてサポートを行ったのが、バンドーでした。

現場にプロの視点を入れる。「ベルトパトロール」の実施。

バンドーでは、吉岡工場長が同社中央工場にご勤務されている頃から、工場の保全担当者様が進められているリスク評価の取組みにベルトの専門家として参加させていただき「ベルトパトロール」という取組みを実施しております。生産ラインをくまなく回ってベルトが使用されている現状を分析し、リスクの度合いを指標化するのです。一日ではなく、開始当初は月に何度も工場に足を運び、リスク評価に必要な情報を集めていきました。

吉岡工場長
「私たちは、食品をつくるプロです。しかし、機器やベルトに関してはリスクを判断できるほどの専門性を持ちませんから、プロの目で私たちの現場を見てもらいたいとお願いしたのです」

ベルトパトロールでは実際に稼働しているラインをまわり動作を検証したり、
一時的にそのラインを停止して細かな計測を実施。

現場にプロの視点を入れる。「ベルトパトロール」の実施。
現場にプロの視点を入れる。「ベルトパトロール」の実施。

ベルトの状態を知るためには、実際に動いているところを見ることが大切です。実際に稼働しているラインをまわり、ベルトの動作を検証したり、一時的にそのラインを停止して細かな計測などを行いました。

大切なのは、教育。一人ひとりに管理意識を根付かせる。

「ベルトパトロール」を実施したことで、生産工程の各所におけるリスクの洗い出しと指標づくりが進み、リスク管理のさらなる強化につながりました。

もうひとつの成果は、工場内をまわって各所のスタッフの皆様にベルトの計測や検証をお手伝いいただいたことで、現場にもベルトを扱うノウハウやリスクに対する意識が共有されていったことです。

吉岡工場長
「設備ももちろん大切なのですが、一番大切なのはモノに頼らずに一人ひとりが危機管理の視点を持つことだと考えています。そのため私たちの工場では教育に力を入れており、今回のバンドーさんとの取り組みは、工員たちの管理意識の醸成という面でも大きな意味があると思います。」

大切なのは、教育。一人ひとりに管理意識を根付かせる。

さらにバンドーでは、製品やメンテナンスの担当社員を伴って「ベルト講習」も実施。蛇行の制御や品質管理のお話を、全工員の方に向けて行いました。こうした活動を経て、工場では現在ベルトに起因する不具合を大きく減少することに成功、他工場への水平展開を推進されています。

省エネルギーのための導入が、省人化にもつながった。

バンドーではこの他にも、ベルトのプロとして、そして、工場の課題解決をお手伝いするパートナーとして、さまざまなご提案を行っています。そのひとつが、排水処理場の曝気ブロアに向けた「HFD system®」。HFDは、ベルト曲げ剛性が低くロスが少ないため、「省エネ効果が高い」という特性を備えた、バンドーの独自システムです。

吉岡工場長
「曝気ブロアは24時間駆動させるため、電力消費が大きな装置です。HFD導入による省エネ効果は、目に見えるかたちで表れています。それだけではありません。
従来のVベルトは、使用しているうちにたわみが生まれ、効率の低下や、交換の際の手間と危険が生じていました。HFDはメンテナンスフリーで、ベルトの張りもずっと保ち続けますから、こうした課題がすべて解消されたのです。本当によく考えられたシステムだと思います」

大切なのは、教育。一人ひとりに管理意識を根付かせる。

吉岡工場長には、香川県内にある他の製造拠点もご紹介いただき、改善のサポートを進めています。品質のさらなる安定化や効率アップ、工場内の管理意識の醸成など、ベルトにまつわる取り組みを起点に、今、さまざまな価値が生まれようとしています。

製品一覧

バンドー化学の新製品一覧です

お問い合わせ

ページトップへ