気候変動対応は全世界的な課題として認識されており*1、カーボンニュートラルへの取り組みが国内外で加速しています。当社もこれらを重要課題の一つとして認識し、カーボンニュートラルに貢献できる素材の活用に向けた研究や、CO2排出量削減への取り組みに注力しています。
バンドーグループが
貢献するSDGs
気候変動リスクの増大要因の1つであるCO2排出の削減に向けて、当社は、事業拠点における燃料転換やLED照明、高効率ボイラーの導入等高効率設備への更新に取り組んでいるほか、物流においても、モーダルシフトや共同配送、ミルクラン等を取り入れています。加えて、ESCO事業や二国間クレジット*2など新たな手法も積極的に導入しています。
これら一連の取り組みにより、2020年度のCO2排出量(スコープ1、2)は41,791t(1990年度比30%削減)となり、「CO2排出量を2020年度までに1990年度(59,802t)比20%削減する」という「2020年度目標」を達成しました。
また、2020年度は、2019年に策定した「CO2排出量を2030年度までに2013年度(54,703t)比18%削減する」という「2030年度目標」の達成に向けたロードマップを策定しました。
今後はこのロードマップに従い、目標達成に向けた省エネ設備の導入等を計画的に進める一方、「2050年カーボンニュートラル宣言」に基づき政府からより高い目標水準が本年公表されたことをふまえ、より実効性のある目標設定を行うべく、検討を進めていきます。
*2 二国間クレジット:先進国が途上国に技術や資金を提供してCO2排出削減を行い、それによって得られた削減分を、先進国が自国の削減目標にカウントする二国間制度
モーダルシフト
高効率設備への切り替え
高効率ボイラーの導入(二国間クレジット)
当社は2020年8月、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「炭素循環社会に貢献するセルロースナノファイバー(CNF)関連技術開発」*3の助成先に選定されました。化学品メーカーである東ソー株式会社と連携し、採択テーマ「伝動ベルトをターゲットとしたCNF複合化クロロプレンゴムの低コスト製造技術開発」を行っています。
将来的な石油資源の供給リスクを克服しつつ、持続可能な低炭素社会を実現していくには、バイオマスなど様々な非石油由来原料への転換が必要です。植物素材のセルロースナノファイバーは、鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上の強度を有するバイオマス由来の高性能素材であり、その実用化に向けた期待が増す一方、市場拡大にはさらなる用途の開拓やコストダウンが期待されています。
*3 この助成事業では、CNFの製造コストを大幅に低減させるための製造プロセス技術の開発や、用途開発の促進、安全性評価などを行い、これにより、CNFを利用した製品社会実装・市場拡大を早期に実現することで、CO2の排出量を削減し、エネルギー転換・カーボンニュートラル社会を目指します。
セルロースナノファイバー
植物由来のセルロースを直径約20nm、長さ数μmにほぐすことで生まれる最先端のバイオマスナノ繊維素材です。軽量かつ高強度の特性を有しており、資源の少ない日本をはじめ世界中で、森林資源を生かせる新素材として注目されています。