BANDO

新しいコーポレートイメージ
On The Run
未来疾走!

〜新事業創出の取り組み〜

自動車や産業機械、ベルトコンベヤなどのベルト製品では、創業100年超のパイオニアメーカーであるバンドー化学。
長年の経験で培った分散技術をベースにしたさまざまな新製品・新技術の開発に取り組んでいます。
新事業の創出に向けて、コーポレートイメージの刷新、プライベートショーの開催、新事業推進センターの新設など、
事業化のステップを着実に進めています。

新事業の取り組みについて、畑 新事業推進センター長に聞きました。

新たなコーポレートイメージの採用で成長戦略を加速

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取締役常務執行役員 
新事業推進センター長 畑 克彦

2018年度は「Breakthroughs for the future」をスローガンとする中長期経営計画の第2ステージ(BF-2)が始まる年でした。そこで、企業イメージを刷新する目的でCIの企画検討が始まり、「On The Run」というコピーを採用し、駅や空港内の広告をはじめとするさまざまな媒体で新しい企業イメージを訴求しました。
「On The Run」を据えたイメージは、一番最初に当社が従来打ち出してきたイメージとは違うと感じました。その点は非常に良かったと思います。新しいものが貼り付いて古いものが剥がれ落ちていく、筋肉質なアスリート像の図柄は、スピード感もあり、当社が新事業創出や新事業領域が進展するイメージと合わさって、事業計画の象徴的な狙いをよく表したものだと感じています。

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プライベートショーで、新製品・新技術を一斉披露

プライベートショーのバンドーテクノフェアは、1989年に初めて開催した歴史のある催しですが、今回はコンセプトを一新したことで、業界紙をはじめとするさまざまなメディアで大きく取り上げられました。 会場では「コア事業ゾーン」で自動車や産業機械などの伝動ベルトやコンベヤベルトなどのゴム製品を中心に、「新事業ゾーン」で新たな分野に活用できる新製品・開発製品と当社独自の「分散技術」を活用したユニークな製品を、「未来につながる技術ゾーン」で材料と成型・施工など数多くの技術を、ご覧いただくことができたと思います。

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特に力を注がれたポイントは?

当社が2013年度から10カ年の中長期経営計画を策定し、2017年度までの第1ステージで注力してきたのが「コア事業の強化」と「新事業の創出」。なかでも「新事業の創出」における“新たな事業の種となる製品開発”でした。
これまで自動車や産業機械、ベルトコンベヤなどに使われるベルト製品で広く知られてきました。これら製品で使われるゴムはベース素材に混ぜる添加物の配合や混ぜ方によって製品の特性が大きく変わります。当社は、材料を適切に混ぜる「分散技術」で独自のノウハウを確立しており、そのノウハウからユニークな特性の多様な製品を生み出しているのです。

具体的な製品はどういったものですか?

例えば、業界最高水準の熱伝導性を発揮する高熱伝導放熱シート「HEATEX®」、柔らかな素材のため小さな力にも確実に追従する伸縮性ひずみセンサ「C-STRETCH®」、ナノ粒子化した銀を分散させた銀ナノ粒子接合材「FlowMetal®」は接合時に溶けやすく接合後は溶けにくい特性を持っています。液晶ディスプレイの視認性を向上させるOCAシート(光学用透明粘着剤シート)「FreeCrystal®」、電子部品や基盤のクリーニングなどに利用できる除塵システム「BANDO MEDC®」、ガラス基板やサファイア基板の研磨加工用に最適な精密研磨材「TOPX®」シリーズなどの新製品です。

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⾼熱伝導シート「HEATEX®」(左)は、⼀定⽅向の熱伝導性に優れたボロンナイトライドを内部で適切に分散させており、シート断⾯(右)の⽅向が揃っている。

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新組織“新事業推進センター”を新設

BF-2のスタートにあわせて、2018年4月に組織改革を行い、「新事業の創出」を加速させる「新事業推進センター」を発足させました。これまで「R&Dセンター」と「BF推進部」が担っていた新規事業開発の役割を新事業推進センターに移管しています。研究開発の色の強かった「R&Dセンター」から、事業部と同様に製造・営業・企画管理機能を持つ「新事業推進センター」に移管されたことで、当社に対するお客様の見方も変わり、高熱伝導放熱シート「HEATEX®」や伸縮性ひずみセンサ「C-STRETCH®」などの事業化に向けた取り組みが加速していると実感しています。

当社は、BF-2の最終年度である2022年度における定量目標として、売上高1,200億円を計画しており、そのうち10%の120億円を新事業分野で売り上げる計画です。重点分野として、車載用途拡大に伴い増加が見込めるディスプレイやパワーデバイスなどに用いられる電子資材や、高齢化で成長が見込める医療・ヘルスケア機器などをあげており、各々の事業化に向けた推進責任者を任命し、マイルストーンを定めて取り組みを進めています。

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伸縮性ひずみセンサ「C-STRETCH」の今後の展開

新製品のなかでも、プライベートショーやTV番組でも紹介されたことで、もっとも注目を集めてきたのが、伸縮性ひずみセンサ「C-STRETCH®」です。伸び縮みを測定するセンサで、柔軟な誘電体層を柔軟な電極層で挟んだ構造によって、静電容量の変化を出力します。プライベートショーでは人の動きに合わせてリズミカルに動くロボットを使ってデモンストレーションを行いました。

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「C-STRETCH®」をロボットに使われたのは意外でした。

伸縮性に優れた「C-STRETCH®」は、とても柔らかい素材で身体の表面に貼っても使用者に負担をかけません。用途は、筋肉の動きをもとに心拍数や呼吸数を測定するような医療機器・ヘルスケア機器のほか、測定した情報をデジタルで再現してモーションキャプチャに活用できます。今回のように「C-STRETCH®」を使ってロボットを動かすのは、まずブースに足を踏み入れていただく手段としては有効でした、しかし、あれがそのまま1つのビジネスになるものではないのです。

「C-STRETCH®」の今後の見通しをお聞かせください。

事業化に向けて、いろいろな形でマーケティングや市場開拓をやってきた結果、まず医療機器・ヘルスケア機器での事業化を進めていく方針としました。当分野で対象となる直接的なユーザーは、医師であり、理学療法士等のコ・メディカルスタッフであり、あるいはフィットネスクラブのような健康系の施設などであり、今までの展示会での集客対象とは異なってきます。医療機器として販売するためには、薬事承認を得る必要もあり、少しやり方を変えていく必要があると考えています。

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新事業の創出を具現化するために

BtoBメーカーにとってのプライベートショーの開催のメリットは?

総合展や専業展では、広い会場でブースを見つけていただくにもひと苦労されることがあります。展示内容も限られ厳選しなければなりません。それに対して、多彩な製品と技術を一度にお披露目できるのはプライベートショーならではの強みです。バンドーテクノフェアは、会社全体のアピールする場という意味合いが半分ほど、あと半分が個々の製品を普段よりも圧倒的に詳しくご説明してお勧めできることで、その要素が来ていただいたお客様のメリットになると思います。出展の目的や費用対効果から総合展や専業展への出展も行いながら、プライベートショーも当社にとっては、独自の技術から新たな事業を生み出していくために大事な役割を担うと考えています。

聞き手:テクノフェア2018総合プロデュース
株式会社ジゴワット 代表取締役 佐々木設子

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