たった数歩歩いて木陰に入るだけで、ほっとする――そんな経験はありませんか?
真夏の神戸。照り返しの強い歩道を歩いていると、木陰に入った瞬間に空気がやわらぐように感じることがあります。
実は木陰には、日差しを遮る以上の役割があります。近年深刻化する夏の暑さのなかで、人にも街にもやさしい「自然の暑さ対策」として、その価値が見直されています。
神戸市が進める「こうべ木陰プロジェクト」もその一つ。バンドー化学は創業120周年記念事業の一環として、この取り組みに協賛しています。
この記事では、年々暑さが増す都市環境のなかで見直されている木陰が持つ意外な力と、プロジェクトに込められた想いをご紹介します。
夏の暑さと、私たちの街の変化

お盆をすぎても続く厳しい暑さ。
街中を歩いていると、信号待ちのほんの数分でも強い日差しに体力を奪われます。
最近よく耳にする「暑熱(しょねつ)」とは、単に気温が高い状態ではなく、強い日差しや照り返し、湿度などが重なり、体に大きな負担がかかる環境を指します。
特に都市部ではアスファルトやコンクリートが太陽光を吸収・蓄熱し、夜になっても気温が下がりにくい「ヒートアイランド現象」が深刻です。
木陰が心地よい理由

そんな暑さのなかで、改めて注目されているのが街路樹や公園の木々がつくる木陰です。木陰は身近な存在ですが、実は街の暑さを和らげる大切な役割を担っています。木陰が心地よく感じられるのには、ちゃんと理由があります。
木陰が持つ「3つのひんやり効果」
①地面の熱を抑える
木陰は、アスファルトやコンクリートに当たる直射日光を遮ります。地面そのものが熱くなりにくくなるため、足元からの照り返しも和らぎます。
②体感温度を下げる
木陰に入ると、思わす「涼しい」と感じることがあります。
実際に、気温が同じでも、直射日光に比べて体感温度が大きく下がることが分かっています。
③周りの空気を冷やす
植木は葉から水分を放出する「蒸散(じょうさん)」という働きをしています。水分が蒸発するときに周囲の熱を奪うため、樹木は周囲の空気をやさしく冷やします。
街と人を陰で支える「こうべ木陰プロジェクト」とは?
神戸市ではこうした木陰の力に着目して、夏の暑熱対策として、歩きやすく過ごしやすい木陰を増やす「こうべ木陰プロジェクト」を推進しています。
このプロジェクトが持つ大きな特徴は、行政だけでなく市民や企業が手を取り合い、協働する取り組みであることです。その具体的な内容は単に木を植えるだけでなく、以下の「3つの軸」を中心に展開されています。
・木陰をつくる(植樹):移植・新植によって新たな木陰をつくる。移植については、できるだけ大きな木陰をつくるため、六甲山で育った木を都市部に移植
・木陰を育てる(土壌改良):既存の街路樹が大きく健康に育つよう、根元の環境を整備
・木陰や緑の大切さを知ってもらう(啓発):木陰の重要性や暑熱対策の意識を市民・企業へ広げる
プロジェクトでは、「街と人を陰で支える」という考えのもと、木陰づくりが進められています。
日々のお出かけや歩行空間の快適性を高めるだけでなく、中長期的な気候変動への適応にもつながる取り組みとして、これからの神戸の街づくりにもつながっています。
バンドー化学が「こうべ木陰プロジェクト」に参加する想い

バンドー化学が協賛する「こうべ木陰プロジェクト」で植樹された“けやきの木”
バンドー化学は2026年に創業120周年という大きな節目を迎えました。創業の地であり、長年お世話になってきた神戸の街へ恩返しをしたい、そしてこれからの未来を生きる市民の皆様とともに、持続可能な環境づくりに貢献したいという想いから、今回のプロジェクトの関わる一員としての参加を決めました。
「街と人を陰で支える」――
この言葉には、私たちバンドー化学のモノづくりにも通じるものがあります。
当社の主力製品であるベルトは主役ではありません。
しかし、自動車や工場、物流など、私たちの暮らしを支えるさまざまな場面で欠かせない役割を担っています。
木陰もまた同じです。
普段は意識されることは少なくても、暑い夏の日には多くの人を支えています。
「目立たなくても、人や社会を支える存在でありたい」
そんな想いが、このプロジェクトへの共感につながりました。
まとめ
今回植樹した木が大きく枝葉を拡げるまでには、まだ時間がかかりますが、いつかその木陰が、神戸の街を歩く誰かの涼しさや安らぎにつながっていくはずです。
そして、バンドー化学はこれからも社会を、神戸の街を「陰」から支える存在でありつづけたいと考えています。





