CSRの取り組み

顧客の安全衛⽣

品質基本方針

【基本理念】

バンドーグループは、社会ニーズを基本とする製品政策を確立し、ゴム・プラスチック製品およびそれらを含むシステム製品を中心とした事業活動、製品およびサービスのすべての面で、全員の創意・工夫と行動力を集結し、継続的改善を実施することにより、お客様のニーズと期待を満足させる。

【行動指針】

(1)顧客に「役立ち」「信頼され」「喜ばれる」品質の提供に徹した設計、製造、販売活動を推進する。
(2)不具合ゼロの工程を確立する。
(1)、(2)を達成するために品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善する。

マテリアリティ 顧客の安全衛⽣

    目標・目指す姿
  • ● 製品やサービスの安全衛⽣に関して、規制および⾃主的規範を遵守する
  • ● 購⼊した原材料に含まれる成分を100%把握できている

マテリアリティ 顧客の安全衛生の推進について

【責任部署】
  • ものづくりセンター品質保証部
  • 事業部
【方針・考え方】

製品やサービスの安全性を品質の中で最も優先すべき問題と認識し、「グループ行動規範」に明示するとともに、「品質方針」を定め、お客様のニーズの把握から販売までの各ステップで実行すべきことを「品質保証システム」として体系的にまとめるとともに、量産移行後は「品質マネジメントシステム」に則り品質の管理に努めています。また、不具合が発生した場合は、担当者が経営トップ以下、品質担当役員、および関係者に速報するルールを設けて最優先で対応するとともに、再発防止につなげています。

【目標・目指す姿】

製品やサービスの安全衛生に関して、規制および自主的規範を遵守する

【施策】
  • 品質に関する教育の実施
    1. ①品質保証部主催によるQCC基礎教育等の講習会実施
    2. ②広く全社員への品質保証の理解を図る
      新入社員教育、技術者教育、ものづくり塾に加え、階層別教育での講習会を実施
【責任部署】
  • ものづくりセンター 調達部
  • ものづくりセンター 基盤技術研究所
  • 事業部 技術部門

取りまとめは、ものづくりセンター 安全・環境推進室

【方針・考え方】

地球環境の保全 について「グループ行動規範」に定めるとともに、汚染の防止に努めることを「環境基本方針」に掲げています。原材料化学物質については、「規格標準類作成基準 原材料規格」に基づき、原材料化学物質を管理しています。規制化学物質については、技術委員会 構成材料分科会にて確認するとともに対応を決定し、代替を推進しています。

目指す姿】

購入中の原材料に含まれる含有成分の把握
社内で決めた使用禁止物質の不使用
製造工程、製品およびサービスにおける、法令等で指定された化学物質の管理
製品中の化学物質の管理

【施策】
  • 材料調達時のチェック(事業部)
  • 含有化学物質管理システムの整備
  • 管理・計画的削減物質の代替推進

有害性の⾼い化学物質の削減

当社の製品には、原材料や副資材に多くの化学物質を使用しています。その中には、環境や人の健康への有害性が懸念される物質があり、これらの削減を計画的に進めています。2021年度も引き続きRoHS指令*1の対象物質となった一部のフタル酸エステル類(DOP、DBP)およびREACH規則*2の認可対象物質であるMOCA*3の代替を推進しました。フタル酸エステル類は物質の特性である移行性の影響をふまえ、原材料中の含有だけでなく、工程におけるコンタミネーションを含め、根本から見直しを進めました。MOCAについては、材料メーカーからの情報収集と配合研究により、複数の代替候補を選定し、検証しています。また、2024年7月のRoHS指令における金属材料中の鉛含有率規制の移行期間終了に向け金属材料の鉛フリー化に取り組みました。

*1 RoHS指令:電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての欧州連合(EU)による指令
*2 REACH規則:化学物質の登録、評価、認可及び制限に関する欧州議会及び理事会規則
*3 MOCA:「3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン」の略称。ウレタン樹脂の硬化剤等に使用

製品・サービスの安全衛⽣に関する規制・⾃主的規範の遵守

当社グループでは、社内業務の自主監査や購入先、協力会社の監査などを計画的に行い、問題点の抽出と改善による問題発生の未然防止に努めています。また、昨今の環境負荷物質規制に対応するため、主原料だけでなく、製造治工具や梱包材などの副資材についても含有化学物質の調査を行い、整備を進めています。また、自動車用伝動ベルトの安全・適切な利用の促進のため、部品商が主催する自動車整備士向け展示会で、ベルトに起因する様々なトラブルの紹介、点検方法や正しい装着方法の説明、交換確認用の摩耗ゲージの配付を行いました。また、YouTubeバンドー化学公式チャンネルでは8ヶ国語による説明動画配信により、適切な交換時期の周知に努めています。

2021年度、製品・サービスの安全衛生に関して重大な罰金や制裁をともなう規制違反はありませんでした。

当社グループでは、お客様にご満足いただくために、「安全、環境、品質、納期、コスト」においてお客様のニーズに合致する製品・サービスの提供に努めています。設計・開発から量産・販売までの品質保証の仕組みについて、品質マネジメントシステム(ISO9001またはIATF16949)の認証審査を受けつつ、日々継続的に改善を進めています。

当社グループでは、品質を作り込んだ人(または部署)が自らその出来栄えを確認する『自主検査』を基本的な考えとしています。この自主検査により、自らの仕事の結果を即刻、自らの目で確認し、必要な処理を迅速に行うことで、問題を最小限にとどめています。つまり、製造工程ごとに明確に決められた検査項目、基準、方法で検査を行い、自工程の不具合だけでなく、前工程に起因する不具合も見つけてフィードバックすることを実践しています。

国内での品質マネジメントシステム認証取得状況

事業部名 対象品目 認証規格番号
産業資材事業部 伝動ベルト、伝動システム、ゴムコンベヤベルト、軽搬送樹脂コンベヤベルトおよびその運搬ユニット、土木・建築資材、鉄道車両ゴム床材 ISO9001
自動車部品事業部 自動車用ローエッジVベルト、Vリブドベルト、オートテンショナ、歯付ベルト IATF16949
高機能エラストマー
製品事業部
OA機器部品、 オプトエレクトロニクス製品、伝動ベルト、機能性コーティングフイルム、合成樹脂フイルム・シート およびその複合体 ISO9001
新事業推進センター 高熱伝導シート、ダイアタッチ材、導電性インク、伸縮性ひずみセンサ ISO9001
新事業推進センター
医療機器事業推進部
医療用計測機器の製造 ISO13485

国内関係会社での品質マネジメントシステム承認取得状況

社名 対象品目 認証規格番号
バンドー・I・C・S株式会社 中四国支店(ゴム・樹脂製工業用品の販売)、軽搬送樹脂ベルトの製造及び製造管理 ISO9001
ビー・エル・オートテック
株式会社
業用自働化製品及びロボット関連製品の機械器具・装置・部品の設計・製造・販売 ISO9001
福井ベルト工業株式会社 工業用平ベルトの製造
株式会社Aimedic MMT 整形外科用インプラント、整形外科手術用器械、運動機能検査用器具、生体信号測定装置の設計開発、製造及び販売
加湿型骨消毒器、患者体位固定具、空気圧式マッサージ器の製造及び販売
整形外科手術用器械、加湿型骨消毒器、患者体位固定具、空気圧式マッサージ器の修理
歯科用インプラントの販売
ISO13485

※福井ベルト工業は、審査機関による認証ではなく、ISO9001準拠自己宣言による。

海外での品質マネジメントシステム認証取得状況

社名 ISO9001 IATF16949
Bando USA, Inc.
Bando Korea Co., Ltd.
Bando Jungkong Ltd.
Bando Belt (Tianjin) Co., Ltd.
Bando Manufacturing (Dongguan) Co., Ltd.
Bando Manufacturing (Vietnam) Co., Ltd.
Bando Manufacturing (Thailand) Ltd.
Bando (India) Pvt. Ltd. (Bengaluru)
Bando Belt Manufacturing(Turkey), Inc.
Bando Europe GmbH
Bando Iberica, S.A.
Sanwu Bando Inc.
Kee Fatt Industries, Sdn. Bhd.
PT. Bando Indonesia
Philippine Belt Manufacturing Corp.

市場不具合への早期対応

当社グループでは、市場から連絡のあった不具合情報を「お客様苦情」と呼び、その原因が当社グループの責に帰するか否かを問わず、すべて誠意をもって対応しています。そして「お客様苦情」への対応を迅速かつ確実にするため、「お客様苦情」を受けた担当者は、経営トップ以下、品質保証担当役員、および関係者へ速報するルールを設け、最優先で対応しています。また、「お客様苦情」の撲滅に向けて、自主監査活動などの未然防止策や再発防止策に取り組み、決められたルールのもと、基本に忠実な行動を実行しています。

グループ会社Aimedic MMTにて自主回収を実施

医療機器体内固定用ケーブルの一部に滅菌包装不良が確認され、製品の無菌状態に影響を及ぼす可能性が考えられたため、自主回収を実施いたしました。なお、本事象に関連した健康被害発生の報告は受けておりません。

QC(品質管理)サークル活動

職場での品質向上を図るために、当社グループ生産拠点の生産部門を中心に運営委員会を組織し、自主改善活動であるQCサークル活動を行っています。国内事業所では、若手を中心とした基礎教育やリーダーを育成するための推進者教育を行い、品質意識向上と活動の活性化を図っています。また年1回開催される当社事業所選抜による事例発表会では、国内外当社グループからの参加も募り、品質改善活動の成果発表を行っています。

当社事例発表会開催

アセアンQC発表会の開催

アセアン地域の7カ国を中心に毎年ホスト国を決め、QCサークル発表会を開催しています。日本からは事例発表会で優秀賞を受賞したサークルが参加しています。発表会に合わせて開催拠点の見学会や交流会を開催し、品質改善につながる情報交換の場となっています。

アセアン事例発表会
開催(台湾)

品質活動の普及と浸透

全国品質月間に合わせて毎年11月に各生産拠点で品質事例展示会を開催しています。苦情発生件数や苦情分析による問題点の抽出などに加え、各製造ブロック、生産技術グループ、技術グループから品質改善事例、製品開発事例を紹介し、情報を共有することで、品質に対する意識の向上を図っています。また、TQM(Total Quality Management:総合的品質経営)活動の普及、浸透を図る目的で、活動により顕著な成果をもたらした従業員ならびに従業員サークルを毎年創立記念式典で表彰しています。

QC功労賞の表彰