研究開発

開発STORY02 平ベルト駆動システム HFD system®(Hyper Flat Drive System)

[ 開発の背景 ]

バンドーは、省エネ型Vベルトの先駆けとして、伝達効率の高い「省エネレッド」を1990年代から販売。バブル景気に沸く上市当初は、市場に見向きもされない目立たない存在でしたが、環境意識が高まった1990年代後半には、その省エネルギー性が市場で高い評価を獲得してきました。しかしながら、2000年代に入ると社会における環境意識がさらに高まり、より高い省エネルギー性を実現する画期的製品の実現が待たれるようになりました。そこでHFD Systemの開発に着手することになりました。

あえて難しい道を選択

構想段階においては、「省エネレッド」以上の節電効果を実現するには同じVベルトでは限界があるとの考えから、断面が平らなため、小プーリで使用することができ、ベルト駆動の中で最も伝達効率に優れる平ベルトに着目しました。平ベルトの弱点とされていた「蛇行」と「張力低下」への懸念等から社内で反対意見もあったものの、「難しい事でも敢えて挑戦していこう」との最終的な判断から、平ベルトの使用を前提とした開発をスタートしました。

5年におよんだ開発期間

以降、約5年間に渡り、試行錯誤を続けた開発期間において、課題であった「蛇行」については、プーリを核とする蛇行制御デバイスを開発し、ベルトとプーリを自律制御させることで解決。「張力低下」については、ばねを核とする張力付与機構(オートテンショナ)を適用することで打開しました。そして2008年には、平ベルト、蛇行制御デバイス・オートテンショナを組み合わせたHFD System (Hyper Flat Drive System)として販売開始に至りました。

高い電力削減効果、大きな潜在需要

HFD Systemの搭載設備は、2013年4月時点で約1,200台あり、これを1年間稼働すると、年間で約1億3000万円の電力削減効果を見込めます(1,200台×1kwh×12円/kwh×24時間×365日)。また日本国内の送風機10万台にHFD Systemを施工した場合、年間で約105億円という大きな電力削減効果を期待できます。HFD Systemは、その高い省エネルギー性能が評価され、2013年度「省エネ大賞」(製品・ビジネスモデル部門)において、「資源エネルギー長官賞」を受賞いたしました。現在、省エネ型Vベルトの先駆けである省エネレッドが最もよく使用されている空調機・送風機の交換市場やOEM市場への普及が進んでいますが、今後はコンプレッサーやクーリングタワー等、Vベルト需要が多い分野への代替ニーズを捉え、水平展開していきます。

HFD system®の製品ページへ
STORY1
CTV用ベルト BANDO AVANCE
研究開発TOPへ戻る