サステナビリティを成長戦略の基軸とする当社グループは、
社会/環境課題解決型製品の開発・提供に注力することで、持続的な企業価値向上を目指しています。
伝動能力の大幅向上と
低発熱性による長寿命化を実現
近年、大型バギーと称される全地形対応車や多用途作業車はエンジンの高排気量化、高出力化が進み、無段変速機構で使用されるベルトへの要求品質も高まっています。また、北米ではこれら大型バギーを用いたレースやトレイル走行が盛んであるため、過酷な状況でも使用できる、高負荷対応のベルトが求められてきました。当社グループはこうした要求に応えるべく、鋼鉄の5分の1の軽さで5倍以上の強度を有する植物由来の新素材「CNF(セルロースナノファイバー)」に着目し、従来品と比べ伝動能力や耐久性に優れた世界初の伝動ベルトを開発しました。今後も車両の高出力化を支える製品として顧客ニーズにお応えするとともに、長寿命化や駆動システムのコンパクト化によるCO2排出量の削減を通じて、持続可能な低炭素社会の実現にも貢献していきます。
※セルロースナノファイバーを用いた伝動ベルトとして世界初(当社調べ)
大型農機のニーズに応える
ラインアップを展開
地球規模での人口増加によって食料需要が高まるなか、欧米市場などで農業の大規模化が進んでいます。これに伴い、小麦・トウモロコシなどを大量に収穫するコンバインなどの農業機械も大型化・高馬力化が進んでおり、大型農業機械に用いられる農業機械用伝動ベルトも、従来品と比べて高い耐久性と高負荷対応が要求されます。当社はこうした要求に応えるべく、大型農業機械用伝動ベルト「AGRIDRIVE®シリーズ(高負荷ローエッジコグ変速ベルト、高性能スクラムVベルト)」を新たにラインアップしました。
「AGRIDRIVE®シリーズ」は、従来品に比べ高品質の高強度ゴムと伸びにくい心線で構成されているため、大型農業機械ならではの高負荷に対応し、優れた伝動能力を発揮します。食を支える農業機械用伝動ベルトのビジネスチャンスは世界中に広がっており、当社グループ一丸となって販売拡大に取り組んでいます。
当社グループは、社会課題の解決に資する新たな価値創造の加速に向けて、スタートアップ企業との共創を進めています。
2024年5月、人の判断が必要な農作業を“AI”と“ロボティクス”の活用によって農業の経営課題解決をサポートするinaho株式会社(本社:神奈川県鎌倉市)に出資しました。同社の農業ロボット技術と当社の農業分野における伝動ベルト・搬送ベルトなどの技術とのコラボレーションによるシナジーの獲得を目指します。
2024年11月、Inmotive Inc.(本社:カナダ オンタリオ州)と、電動二輪車/三輪車向け二段変速機における戦略的パートナーシップ契約を締結しました。同社は、効率の良いモーター駆動による航続距離の延長や電動駆動ユニットの小型化が期待できる二段変速機「Inger™」の開発を行なっている企業です。今回の契約を通じて、同社が開発した「Inger™」と当社が長年培ってきた二輪車向け伝動ベルトの技術とのコラボレーションによるシナジーを獲得し、中長期経営計画の達成を目指していきます。